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HER VOICE (原題 「しあわせ日和」)初演の反響

 

 

佐藤康(フランス演劇研究)

セリフのない劇、というか、踊らない舞踏というか、どっちでもいいのですが、見ていて思ったことはただひとつ。この作品はラディカルな人間存在に達しているということです。舞台芸術は身体的か言語的か?なんて凡庸な私たちは煩悶したりするのですが、ラディカルな(=根源的な)表現に達すると、それが両方ともあって、しかも片肺飛行でも十分やっていけますよ、っていうことなんですよ。畏れ入りました。

岡室美奈子(ベケット研究・早稲田演劇博物館館長)

これほど美しい『しあわせな日々』を私は知らない。アメリカの無声映画のようなおかしさと切なさを通して、ベケットの劇がいかに身体的かを感じさせて見事。

山田勝仁(演劇ジャーナリスト)

ダンサーである竹屋啓子の動きを封じることによって言葉以上の表情を引き出した佐藤信の演出。彼女の表情に、「道」のジェルソミーナ、ジュリエッタ・マシーナを思い出していた。
 

江森盛夫(演劇批評家)

ベッケトへのオマージュは完ぺきになされた。私は六本木の地下の舞台から佐藤の芝居を数多く観てきたが、この舞台は佐藤の演劇のエッセンス、結晶点だと感じさせたのだ。

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